「ものを考える一兵卒」というのは"a soldier of ideas"の藤永先生の訳だが、これは確か今年カストロがすべての役職から身を引いたときの言葉ではなかったか。それを藤永先生が英語で訳して紹介したのだと思うけど、そうでなくてもとてもいい言葉で、またいい訳だと思う。
政治家ではないが藤永先生もそうだし、カストロもそうだし、藤永先生がそのブログで教えてくれた今はなき70年代のカナダの首相、Pierre Trudeauもそう呼ばれていい人々だ。彼らは自分の仕事を懸命にし、その道や、社会や、人々のために尽くし(人々を不幸にするのではなく)、引退してからは功名を思わず、陰険な権力を使うことはしない。そういう人しか"a soldier of ideas"にはなれないのだ、というのが正しい。平岡敏夫先生もそのなかの一人として数えることができる。日本近代文学の幅広い研究に尽くされ、今は詩も書く。平岡先生の書くものから、私は一度もその道の「権威」としての重苦しさや抑圧を感じたことがない。いつでも初々しく、感情と知性のバランスがとれ、しかも現状に甘んじることはない。まさに"a soldier of ideas"だ。
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