16日、娘夫婦を心配して、こんな苦難の時に来日してくれたDonとDoloresを囲んでささやかなパーティを我が家で開く。二人は21日にテキサスに帰る。
21日、国立市公民館の古典講座「源氏物語の世界」(各月1回で全5回シリーズ)始まる。30名余りの受講者。終わった後、呼び止められる。非常勤で行っている高校の卒業生で、今上智大独文の3年生だというKさん。市の広報で見て(木曜日は大学の講義のない日だったし、先生の名前を見て懐かしかったから)受講者として申し込んだら当選したという。
びっくりしつつもうれしかった。この講座の前に、「奥の細道」を2年がかりで読みあげたが、そのときの受講者の男性陣も5名ほどいたので心強い。
23日、大佑(東高の卒業生)の結婚式。長駆、那須塩原まで、と書きたいのだが、新幹線で1時間余り、八王子から乗り換えなどを含めて3時間足らずで到着した。沛然たる雨。
塩原駅に待機していた送迎用のバスに40分ほど乗り那須高原のセント・ミッシエル教会という式場に着く。主イエスの前での結婚式である。そのあと披露宴は、降り止まぬ雨の中会場のミッシエルガーデンコートというイギリスのマナーハウスを模した館へバスで15分ほどの移動。雨のために視界は全然きかない。披露宴での大佑の挨拶に「下野の国、一宮の二荒山神社の龍神を招いたような雨で…」といような即妙の言葉があった。荒れ狂うかに見える龍神の神慮はすべてを癒し豊年を予告するものに他ならない。研ぎすまされた鋼鉄のような肉体を真っ白の礼服に包んだ現職の自衛隊員、終始笑みを絶やさぬ31歳の大佑を見つつ、そこに龍神の化身を感じたのは酔いのせいだったろうか。この男は式が終わればまた、被災地の支援に赴くのである。
知性高く美貌をも兼ねそなえた新婦については、大佑の高校時代の友人たち、中村哲也、佐久間隆介、豊田秀秋などの、「あいつにこんな美人が、ラッキーなやつだ、…」という言葉にならぬため息交じりの羨望の様がすべてを語って余りあるものだ。
隆介は余興で斉藤和義の二曲を玄人のような素晴らしいギターの弾き語りで歌ってくれた。彼はこの演奏のためにノンアルコールビールで控えていたから、式が終わって塩原駅前のいかにも田舎の定食屋という風情の店で二人で地酒の熱燗を傾けていろいろ語り合ったのも深く思い出に残ることになった。
私は挨拶で、大佑が高校1年の時の文化祭でミュージカルsound of musicのトラップ大佐を演じたことなどを紹介し、彼の人となりについて、苦労をいとわぬ、そして悩む力を持った人間であるとまとめたが、思うことの半分も言えなかったような気がする。よせばいいのに、これこそがsound of musicのテーマソングだと私が思う次の曲の詩を朗読した。この二人のこれからの「生」にふさわしいと思ったからだ。
Climb Every Mountain
Climb every mountain
Search high and low
Follow every byway
Every path you know
Climb every mountain
Ford every stream
Follow every rainbow
Till you find your dream
A dream that will need
All the love you can give
Everyday of your life
For as long as you live
Climb every mountain
Ford every stream
Follow every rainbow
Till you find your dream
すべての山に登りなさい
高い所も低い所も探しなさい
知っているすべての脇道や
あらゆる小道をたどりなさい
すべての山に登りなさい
すべての流れを渡り
すべての虹を追いかけなさい
あなたの夢を見つけるまで
その夢をかなえるには
あなたの愛すべてが必要だから
来る日も来る日も与え続けなさい
あなたの命がある限り
すべての山に登りなさい
すべての流れを渡り
すべての虹を追いかけなさい
あなたの夢を見つけるまで
(以上、イースターの日に記す)
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