時々思い出すことがある。この夏、テキサスの友人の所で、もう一人の友人Mark Toepfer (彼もこの夏そこにサンフランシスコから訪ねて来ていたのだ)と話していたとき、ヒデミ、カート・ヴォネガットの最高のジョーク知っているか?と、彼がぼくに訊いたときのことだ。そんなもの知るはずがない、そもそも最高のジョークというのは、その人によるもののはずだ。いや、知らない。 Markは次のような文句を、ぼくのノートに書いてくれた。これは彼が話すのを聞いただけでは理解できなかったから、ぼくが頼んだのである。
Peculiar travel suggestions are dancing lessons from God.
変わった旅の提案、神様からダンスのレッスンを受ける旅
強いて訳せば上のようになるのだろうか。うーん、とぼくは内心思ったが、いつもの調子で、わかる、わかる、などと言ったのだった。いや、あまりに暑くて半分も正気はなかったかもしれない。今、こうして書き直してみると、どことなくおかしい。ヴォネガットらしさ、上品な方のヴォネガットらしさが出ている。実はこのジョークはヴォネガット最後の本、A man without a countryに載っているものだった。そこにはもっと強烈なジョークがあって、ぼくはこういったものがヴォネガットの本領なのかなどと、どうでもいいことを思ったりした。
WHAT IS IT,
WHAT CAN IT
POSSIBLY BE
ABOUT
BLOW JOBS
AND GOLF?
あれって、
何が楽しいんですか
フェラチオと
ゴルフ?
-- MARTIAN VISITOR --火星からの訪問者 (金原瑞人 訳)
石川遼くんには悪いけど、こう言ってみたくなる人もいるのだよ。ときもあるのだよ。
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