2009年4月29日水曜日

茶摘み

〇 木隠れて茶摘みも聞くやほととぎす       

芭蕉のこの句にはまだ早いのだろうか。いや茶摘みはこのまえ狭山茶のそれをニュースでやっていたからその時期だろう。「ほととぎす」、自信を持って聞いた、聞いていないなどと言えないのが残念だ。

〇 白梅や誰が昔より垣の外

蕪村のこの句を、先日湯殿堤を散歩中、思い出していた。堤の一角に家庭菜園のような畑があり、その前に色鮮やかな躑躅の低い垣根が少しの距離で作られていた。それを見て思い出した。白梅は過ぎてしまった。それでも誰かは「垣の外」でぼくを待っていてくれるのだろうか。

〇 昨日だった。昔の教え子で、今年大学院を出て就職した女の子(子ではなくて立派な女性だが)から、「……研修を終えて、四月十五日に配属も決まり、徐々に仕事に慣れてきております。心ばかりのものを初任給で購入しましたので、お納めください。……」というカードとともに、福井のM屋の銘茶と緑茶羊羹が送られてきた。とてもうれしかった。茶摘みの声を聞いているような気がした。

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