2009年10月24日土曜日

家、歌の家

 前から計画されていたことだが、潮と郁さんの招待で二人の親たちの初顔合わせが上野の韻松亭という素敵な料亭で行われた。精養軒の前にある。よくこんな渋い所を見つけたものだ。郁さんのご両親は、この店を知ってはいたということだが、妻と私は初めてだった。二人の幸せを祈りながら、私たち「親」はよく話し、よく食べて、旧知の人のように仲良くなった。これからの「式」やらなにやらを、息子たち二人は気持ちよく乗りこえてゆくだろう。私たちも協力できるところはできるだけしたい、などということを親たちは話したのだった。この二つの「家」の顔合わせのために、郁さんは和服を着てきた。外国の人たちが何人もカメラを向けていた。息子は息子で、食事の前に、私たちにむかって、心のこもった挨拶を披露した。これにも吃驚した。この会の動機、これからの二人のこと、……。上野の森が秋色を濃くする一日の昼、私たちはこの若い二人の「覚悟」に触れたような気がした。うれしかった。

 
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 三家族?ということになるだろう(これから家族を形成する若い二人を入れると)、三家族はそれぞれに分かれて、妻と私は、たまたま今日から都美術館で開かれている「冷泉家 王朝の和歌守(うたもり)展」を見に行った。俊成から数えれば800年以上も続く「歌の家」である。この家に所蔵されている「文化」の巨大さ、それが貧寒とした中流以下の公家の家によって、ここまで守られてきたということを考えると、声も出ない。それを支えたのが、「歌の家」というプライドであったということ。本朝とつい書いてしまうが、本朝における「歌」のもつ力について何度でも思いを新たにしなければならない事柄である。

(古来風躰抄・俊成自筆)
 
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(拾遺愚草・定家)
 
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7 件のコメント:

Aki さんのコメント...

ご子息のご結婚が決まり、おめでとうございます。数年前のこのような日には、うちのお嫁さんもきれいな振り袖姿でした。

ban さんのコメント...

Akiさん

ありがとうございます。今日の上野には格別な思いが残りました。

タクランケ さんのコメント...

banさん、

ともに寿がむ、この秋のよき日に。
わたしも、もう一度結婚したいなあ。でも、人生は一回きりだ。今度生まれ変わったときに、また結婚しよう。

ban さんのコメント...

タク様、

ありがとう。

結婚もいいけど、この季節の上野もいいものです。不忍池などを散策しながら、熱燗を一杯!などというのもやってみたいですね。

Asiatic さんのコメント...

おめでとうございます。式はいつですか?
三家族と言うよりも一つの大きな家族と考えてみたらどうでしょう?

ban さんのコメント...

Asiaticさん、

ほんとうにそうですね。一つの大きな家族、とてもすてきな言葉です。

式はいま検討中だそうです、直接聞いてみて下さい。

ban さんのコメント...

いや、あなたとオマッチャンと、オマーの家族を入れると、5家族とも言えるね。ダグラスも入れてあげようか、そうすると本当に「大きな家族」になるし、この他に入れたい家族が一杯いるね。ブッシュとかそういう家族はいやだけど。