白雄句
友と一緒に信州上田にて桜を満喫する。また村山槐多、関根正二、野田英夫などのデッサンや絵を見る(信濃デッサン館)。上田城の夜桜を見てのかえり、堀端に江戸中期の俳人、加舎白雄(1738ー1791)の碑があり、彼がここ上田出身の人であるということをはじめて知る。以下、白雄の句を記念に掲載しておく。
人恋し灯ともし頃を桜散る
町中を走る流れよ夏の月
園くらき夜を静かなる牡丹哉
子規鳴くや夜明けの海が鳴る
菖蒲湯や菖蒲寄り来る乳のあたり
めくら子の端居淋しき木槿哉
永き日に我と禁ずるまくらかな
春の日を音せで暮る簾かな
はるかぜや吹かれそめたる水すまし
二股になりて霞める野川かな
いとまなき世や苗代の薄みどり
いずれも感覚鋭敏、細かい観察、鮮明な表現の句だと私は思う。
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