2010年2月10日水曜日

鮹も

立春を過ぎたのだが、

○冬の日はつれなく入りぬさかさまに空の底ひに落ちつつかあらむ

あるいは待たれるのは

○桑の木の低きがうれに尾をゆりて鵙も鳴かねば冬さりにけり

利根川の河口に波崎という名の町もかつてあった、

○薦かけて桶の深きに入れおける鮹もこほらむ寒き此夜は

病のなかより

○往きかひのしげき街の人皆を冬木の如もさびしらに見つ

すべて長塚節の歌から。

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