2010年2月27日土曜日

庭気色を増せば晴沙緑なり  林容輝を変ずれば宿雪紅なり

藤井貞和さんの「思惟とテクスト」(詩学のために2『詩論へ2』所収)を読む。『詩論へ1』所収の「文献学、時間、そして想起」の続きで章の番号から言えば17から41(プラス「まとめとして」)まで。圧倒的なボリュームだが、なんとか振り放されず論旨についてゆくことができた。平安漢文学の問題と近世朱子学の問題、それらから「詩」の内在的な成立をたどるというもの。ひたすら勉強をし、勉強になった、という読後感。読み終わってウイスキーの水割りを飲んだよ。

表題の詩は、藤井さんの論で引用されていた紀長谷雄の詩の一節で『和漢朗詠集』に見られる。

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