2008年6月28日土曜日

連詩『卵』8


ねむれない夜、
わたしから遠く、夜のはてを
鳴きながらわたってゆくものがある
あれは何だ、夜明けを知らせる鳥のような
かすかな光を運んでゆくいのちの歌声のような
天に近く、ねむれない私からはるかに遠く、         (豊美)
  


出会う卵を割らないように
ゆっくりと歩く。歩きながら見ている
捜索者の夢。暗い通路の先の
水辺に映る
わたしの影の上を
一羽の可憐な鳥が飛ぶ。         (健二)



ヨルダン川の
ヨハネのように
湯殿川の
鵜が羽を広げていたのだ。
呼びかけられている、ただ呼びかけられているのに
卵生の異形のもの、などと思って見慣れた花に目をそらすのだった。   (英己)


(湯殿川 近影)
これは「鵜」ではないと思うが。
 
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城址公園の蓮
 
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