擬宝珠
擬宝珠の花が咲いている。
ぎぼうしとかくとなんのことかわからない
漢字で書いてもなんのことかよくわからない
「夏・秋、長い花茎に漏斗状の花を総状につける。
花冠は6裂し、色は」
白、紫、淡い紫などと身の上が語られる。
でも、宝珠に、宝物とすべきたまに似ているから擬、
擬人法の擬、模擬テストの擬
ほんものの宝の珠じゃない
歳時記を見ると
虚子の「這入りたる虻にふくるる花擬宝珠」
「虻入ってかくれおほせぬ花擬宝珠」
など虻と取り合わせている。
宝石のなかの虻の
朝
庭の、草のような人が
擬宝珠の花が咲いているのを見る。
蜜にひかれる虻のように、その淡い紫の色にひかれる
紫のなかに
人に似た草たち、草に似た人たちが隠れているようで、
隠れきれない
暑い夏。
たえかねて
ホースで勢いよく水をかけてやる。
身の上を
固く冷たい宝珠が走りぬける。
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