食後 白居易(772~846)
食罷一覚睡(食罷わりて一覚の睡り)
起来両甌茶(起き来りて両甌の茶)
挙頭看日影(頭を挙げて日影を看るに)
已復西南斜(已に復た西南に斜めなり)
楽人惜日促(楽しき人は日のあわただしきを惜しみ)
憂人厭年余(憂うる人は年のながきを厭う 注・ながき はこの字ではないが)
無憂無楽者(憂いも無く楽しみも無き者は)
長短任生涯(長きも短きも生涯に任す) ―閑適詩―より
口語訳(高木正一)
食事がすんでからひとねむりし、目がさめると二わんの茶をすする。
頭をもたげて空をみると、いつしか日は西南に傾いている。
快楽を追う人々は、日の移りかわりのあわただしいのを惜しむし、憂いを抱く人々は、
一年の長いのに閉口する。
憂いもなく楽しみもない私は、長きもよし短きもよし、すべて生涯のなりゆきまかせ。
英訳(Arthur Waley)
After lunch―one short nap;
On waking up―two cups of tea.
Raising my head, I see the sun’s light
Once again slanting to the south-west.
Those who are happy regret the shortness of the day;
Those who are sad tire of the year’s sloth.
But those whose hearts are devoid of joy or sadness
Just go on living, regardless of ‘short‘ or ‘long‘.
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