晴れて自由人というわけでもないが、次に職場に行くのが4月5日なので、今日は立川に出て映画を観てきた。千円だった。タイトルの映画でアカデミー賞をとったコーエン兄弟のもの。
この監督の映画は初めて。なにもわからないままに観たのだが、曰く言い難い映画だった。変な映画、不条理な映画。テキサスの荒野と寂れた町を舞台に繰り広げられる神なき現代の寓話とでも形容するのが一番適切かも。ただし、血まみれの寓話だが。
リアルすぎてスーパーリアルな殺人者、それにからむ老年の保安官の、どこでかみあうかもわからぬ独白と追跡がすべてで、結局、普通にあるように保安官が最後には殺人者を捕まえるという筋ではないのが、この映画の訴えたいところなのだろうが、私にはあまり迫ってこなかった。
ノルテ書店で、フラナリー・オコナー全短編(上)と、やはりオコナーの「賢い血」という長編を購入した。ともに筑摩書房だが、後者は「ちくま文庫」の一冊で、須山静夫という人が訳している。2、3ページ読んだだけで、この訳のひどさについていけなくなるような代物だが、我慢する。前者の短編集はハードカバーの高価なものだったが、最近、原文で読んだ、私にとってのはじめてのオコナーの小説で印象深かった"The Life You Save May Be Your Own"が「生き残るために」という邦題で収録されていた。こちらは横山貞子という人が訳している。
風の強い日だった。
2 件のコメント:
立川のどの映画館であったか、つい最近の上映で、スルースという映画をやっています。主演はマイケル・ケイン。マイケル・ケインは、実は、同じ題名の映画で、以前は、ローレンス・オリビエの演じていた役を、今回演じています。これは、見ものだと思っています。前作は傑作です。非のうちどころのない。今回はどうでしょうか。見たいものだと思っています。
初耳です、「スルース」観てみたい。
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