2009年3月13日金曜日

静けさ

高貝弘也さんの、第39回高見順賞、受賞の式とそのあとの祝賀会に出席した。松山巌と中村桂子がお祝いのスピーチをした。とくに生命誌を専門とする中村さんのスピーチは素晴らしかった。高貝さんの詩のもつ大きな射程を、専門外ですけどと断りながら、理系の人が思いをこめて述べるのを聴いた。このひとの文章は教科書にも載っていて、素晴らしいと思ったものだが、高貝詩の「静けさ」を静かな命に寄り添う「稀有」なもので、高貝の詩自体が、この現代における「奇跡」のようなものだとも断じた、それを実に静かに優しく語りかけるように述べた。中村桂子という人も「奇跡」である、と私は思った。天沢退二郎さん、藤井貞和さん、などに挨拶して帰る。二次会には行かなかった。


なぜか知らぬが、また季もずれているのに、蕪村の、

 
桃源の路次の細さよ冬ごもり


という句が終日頭というより、心の部位で私を待ち構えている。それに向って歩いているのだ。

0 件のコメント: