2010年1月22日金曜日

魂と舞踊

○「お前はどこから帰って来た?」とソクラテスが聴くと、
「隠れ家、隠れ家、おお私の隠れ家、おお渦巻き!―動きよ、私はお前のなかにいた、ありとあらゆる物のそとに…」と踊りの精と言ってよいアチクテは、こう答える。ヴァレリーの『魂と舞踊』の最後の場面。

肉体の、精神からの解放が一つのテーマ、あるいは夢とも思えるこの戯曲を最近読んだ。

宿命的なアンチノミーを、この人は最後まで解決せずに、「あえて」解決せずに持ちこたえたのか。テスト氏と、踊りや水泳の歓びの対立。

八王子まで女房と一緒に歩いて出かける。用事を済ませて、西八王子の図書館まで電車で。帰りに八王子に降りて、買い物。久しぶりに日本酒の4合瓶を買う。その前に聞き酒を4カップぐらい勧められ、それで真っ赤になっている、女房に冷やかされた。弱き者よ、いやますますに弱くなりしかな!それを夕食に半分飲んで、できあがってしまった。すべてのアンチノミーが幽界に誘拐されたような融解感覚である。

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