2010年10月1日金曜日

グアドループに

返答と贈答の形式で


グアドループに。

風の吹く平坦な土地と森が生い茂る凸型の土地とを均等に隔てる境界に。

微笑がたわませる、その計り知れない気分に。

グランド=ヴィジ岬の断崖で風が浸食する灰色のマプー木に。

グアドループ住民のなかでおそらくもっともマルティニック的なデルグレスに。

潮が訪れない、数多くの隠れた入江(アンス)に。

双方の海岸で再開する、レザルド川とラマンタンに。

見事に生き抜いた、グランド=テールのヒンドゥーの民に。

絶対に涸れ尽きえない、ウアスー蟹に。

グアドループに、そして昔のライバルたちに。

ロランの若者たちが死んだように、ここで死んだ若者たちに。

シャトー岬の黄金の砂粒に。無限が君の踝を捉える、サン=タンヌに広がる遠大な海に。

農業労働者の最初の民族的組合に。

間違いなく憤死(マルモール)が叫んだ場所である、我慢の限界(マランデュール)と呼ばれる場所に。

ポール・ニジェールに。

クレオール語の詩人たちに、グオカ太鼓を叩く者たちに。

不思議なことに、蛇が一匹たりとも生き残らなかった島、グアドループに。





エドゥアール・グリッサン、Le discours antillaisより。(中村隆之 訳)

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