2011年4月8日金曜日

「想像」臨時号から

昨晩は脳天気なことを日記に書いていたら、突然揺れ出した。前回のことがあるから、少しは余裕があったけど怖かった。東北沿岸の被災地の人々はやりきれないだろうと思う。水と電気がなんとか復旧したと思ったら、わずか2日ばかりで、また断水と停電、疲れ切った顔で話している人々をテレビ画面で見ている。原発の無事故を喧伝しているニュース。 鎌倉にお住まいの羽生康二さんは、いつもその個人誌「想像」を送って下さる。今日はその132号と臨時号の二冊が届いた。臨時号に「とうとう原発大事故が起きた」というタイトルで書いていらっしゃる。その終わりを引用しておく。

 

 1号機から4号機までの事故が報じられたとき、わたしは心配しおびえながらも、これで日本の原発はすべて廃止することになるだろう、と思った。日本中の人々が、原発のおそろしさを悟り、原発即時廃止という世論がわき上がるだろう、と思った。ところが、わたしの考えは甘かった。メディアには原発廃止の意見はほとんど見られず、世論も盛り上がる気配はない。電力確保のためには原発は必要だから安全対策をしっかりやってほしい、という声が大部分だ。
 日本がこのまま原発を運転しつづけたら、必ずまた大事故が起きる。こんどと同様に地震が引き金となる可能性が大きいが、人為的なミスによることも充分ありうる。もし浜岡原発が地震でこわれたら、関西も関東も放射能まみれになるだろう。福井県には十数機もの原発があり、高速増殖炉もんじゅもある。これらのどれかが事故を起こしたら?と考えるとおそろしい。
 「想像」を読み返してみると、1981年3月の12号から原発反対を主張してきた。1986年のチェルノブイリ原発事故以降は、JOCなど大きな事故があるたびに特集を組んで原発反対を訴えてきた。反原発運動の、高木仁三郎(原子力資料情報室)、山口幸夫(同)、小出裕章(京大原子炉実験所)、中嶌哲演(原発銀座・福井県小浜市の明通寺住職)などの方々に依頼して書いてもらった。「想像」で30年間原発反対を訴えてきたことが無駄だったとは思わないが、今は無力感でいっぱいだ。福島第一原発の大事故を機会に、日本中の人々が原発のおそろしさを悟ってほしいと願っている。(2011年3月29日)


羽生さんのように30年間の長きにわたり反原発を主張してこられた人の「今は無力感でいっぱいだ」という嘆きはこのうえもなく重い。他にもこのような嘆きを抱えている人は多いと思う。未来に向かって日本は(エネルギー政策を含めて)どのような選択をするかが問われている。その議論が次のような利益がらみのやり方で封殺されてはならないと思う。広河隆一氏のツイッターでの発言から。

広瀬隆と広河隆一を起用したとして、電事連(電力業界の宣伝をになう)が、上杉隆さんのやっているニュースターから広告を引き上げました。東電を批判したということで他のラジオ局からも引き上げたそうです。

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