2009年8月11日火曜日

Lamar University visited

Sam Gwynnの大学院の授業でコメントを求められた。My Fair Ladyの日本語版をSamはyou-tubeで探してあったのを学生たち(4名か5名かの演劇と音楽専攻の院生たち)に映して見せた。そして、ぼくにこの日本語には、イライザが最初喋る社会的な階級を明示するような(たとえばロンドンにおけるコックニー )アクセントや単語の違いがあるのか?という問いだった。そのyou-tubeの映像はどこかの劇団の練習風景だったが、イライザらしき主人公を誰が演じているのか分からなかった(不思議な事に、アメリカの大学で見る日本人の演劇は、ぼくにギルバートとサリバンのミカドを見ているような摩訶不思議な経験を与えた。日本人自身が演じているのに、妙にエキゾチックで貧弱な感じ。それに日本語から遠のいた耳には最初この日本語の全体がすぐにとらえられなかった、これも初めての経験)。どの歌かも分からなかったが、ぼくが答えたのは、この翻訳には社会的な階級を明示するようなアクセントや言葉はなく、現代の日本語が使われている。現代の日本語は一様化がはなはだしい。バナキュラーな言語もあるにはあるが、それも滅びつつある。ここで使われている日本語で唯一奇妙な感じを与えるのは、それは翻訳者が主人公の出自の低さをことさら表現するために考えたのだろうが、一人称の「わたし」を「あたい」とかえて歌わせているところだ。今はほとんどの日本人が使わないこの表現はたぶん娼婦などが使う言葉であった。というようなことをしどろもどろ喋ったのだった。

学部生の一般教養の授業にもSam Gwynnの授業の前に参加した。Jim SandersonのAmerican Literatureの講義である。理系の学生も若干いた。全体で8名ほどの学生。サマーセッションということで集中して授業を受けることが可能で、学生にとって普通のセメスター(あるいはターム)よりお得であるということなどをおぼろげに聞いたような気がするが、たしか2時間10分一こまであったとおもう、それは受ける方も教える方も大変だなと思った。ものすごくチャーミングな授業で、インタラクティブな講義。枕のように分厚いテキスト(The norton anthology of AMERICAN LITERATURE)はあまり使用しなかったが、時々はその何ページかを指摘し開かせていた。講義のテーマは20世紀の文学を用意したものは何かということであった。主に実に広い視点から歴史と哲学への言及が多かった。その意味を学生に考えさせるといったスタイル。いろんな意味で刺激を受けた授業である。終わったあとに、感謝の言葉を述べて、そのテキストを買いたいと言ったら、研究室のどこかに余分なものがあるという。Samの講義に出ていたときに、ドアをあけてにっこり笑いながらぼくに「進呈」してくれたのである。

これらのことが可能になったのはすべて、
Moumin Quazi, Ph.D.
(Assistant Professor of English, Tarleton State University
Secretary, South Asian Literary Association
Editor, CCTE Studies
Co-Editor, Langdon Review of the Arts in Texas
Co-Editor, Voices)のおかげである。MouminはTroyの友人で、最初のアメリカ旅行のときに、デントンでぼくもあったことがある。詩人でもある。Moumin(モーマン)に感謝する。SamもJimもモーマンの親友で、両者ともモーマンによればincredible writersということだった。モーマンは締め切りをいくつもかかえていて忙しいというのでこの大学(以前かれはここにつとめていた)、そしてTroyのSmith Pointにはこの時点では来ることができなかったが、メールなどで連絡を取ってくれたのであった。

アメリカに行ったら、詩のワークショップか大学での詩の講義などを受けてみたいと思っていた希望、すべてではないが、いくらかは友人たちのおかげでかなったのである。

2 件のコメント:

タクランケ さんのコメント...

それは、よかったですね。読んでいて、なんだか顔がほころんできました。いいなあ、わたしも、そのような授業を受けたいと思いました。東京は今朝11日の早朝の地震、M6.6、震源地静岡。この地震と芸能麻薬スキャンダルと大原麗子の死によって、国政選挙はどこかえいってしまったかのようです。選挙には間に合いますか?興味深々ではあります。

ban さんのコメント...

東京は大変ですね。ここにいると何か人ごとのように感じます。地震や台風は一番親身に心配しています。大丈夫ですか。

麻薬や国政選挙も芸能人の死も、遠くの国の出来事のようです。しかし、選挙には間に合います。

今日(11日朝)、CNNの記事に、ケネディ家の娘(ケネディの妹)で最後まで生き残ったユニースの死が報じられていました。88歳ということです。知的障害者のためのスポーツオリンピックなどの創建者でもあります。社会奉仕に捧げたその一生が賞賛されていました。