2009年8月10日月曜日

Smith Point in Tex

8月3日から8月8日(土)の朝まで友人TroyのSmith Pointの家に滞在する。メキシコ湾に続く奥深い入海(bay)に沿う別荘地のような所である。「ような」と書いたのは、昨年のハリケーン、アイクの襲撃を受けて、ほとんどの家が壊滅したからである。友人の家も一階部分がすべて無くなってしまった。細かいことは省くが、彼は奥さんの仕事で娘を含めた三名で日本にまた来ることが決まった、そのときにヒューーストン近郊にあった自分の家を売って(夏の別荘のようなものとしてSmith Pointの家を購入していたので、休みには日本からそこに帰ればいいと思っていたのだ)日本にやってきた。それが去年の春だった、9月に、残っていた最後の家が壊滅したというわけだ。ここの友人たちに頼んだりして修復もかなり進んでいたが、完全ではない。この夏の彼にとっての帰郷は、その修復という事にあったのだろう。
しかし、この恐れを知らないテキサス男は、「大草原の小さな家」状態の家に何名もの友人たちを招いていた、私もその一人。夜の釣り、発電機をかけて、ハリケーンから生き残った小さな桟橋の先から海を照らしながらの釣り。西に太陽が沈むと同時に東から月が昇ってくる、その広大な眺めを遮るものはなにもない。水平線と太陽が溶け合う(まるでランボーの詩のように)、ジュッという音を立てて太陽の光が燃えるのだ。東からはクールな月の光がきみ一人を目指して、そうきみだけをvanishing point(消点)として、ここSmith Pointでは燃え尽きるのだ。なにものにもかえ難いのは、人生の長さにも似た、夜の長い時間をかけた(livelong)日没と月の昇りの競演である。それだけのために、というのは嘘かもしれない、無数のビールもあったのだから、しかし、やはりそれだけのために、この荒廃した入海の村は宇宙から見える地球のように緑に輝いている。なにもないということの途轍もない輝きをそえて。

3 件のコメント:

岩田英哉 さんのコメント...

わたしは、奄美の黒糖焼酎、喜界が島を毎晩飲んで、夏を過ごしています。今は日本列島を台風8号が席捲、東京は今日も雨で、入道雲のある、からっと晴れ上がった青空の、夏らしい夏がない夏です。お酒の話題がないので、心配しています。

ban さんのコメント...

台風ですか。今、娘の所にいるのですが、スミスポイントよりは涼しいといっても30度は超えていると思います。

中村君はこのずっと南の島マルティニックで元気に研究生活を続けているようで。タクランケさんの疑問に答えるものを書いていましたが、お読みですか?

とにかく一人で異国にいると友人のレスポンスほどうれしいものはないです。(少し大げさか)。

昨晩はビーチで行われていた無料のジャズ演奏を楽しみました。ビールをのみながら。

匿名 さんのコメント...

お元気でなによりです。中村さんのコメント読みました。これからまた返答をいたします。台風で、西日本は被害が大きく、そこへもってきて、静岡県でM6.6の結構な地震、今朝11日5:00ごろ見舞われました。日本のTVは、芸能人の麻薬問題と大原麗子の孤独死のニュースで毎日てんやわんやです。なんでも、ワイドショーが息を吹き返して、視聴率が30%を超えたそうです。それでは、また。