2008年6月26日木曜日

連詩『卵』7


片倉の蓮池で翡翠を見た、2度目だ。
望遠レンズのカメラたちもじっと見つめている。
とても小さな、それでいて梅雨空を輝かせる宝玉。
水面に垂れている細い枝に軽く止まっていたが、
水に突っ込むと、スーッと空に上昇して行った。
そのことを思っていた、その姿も。          (英己)


ねむれない夜、
わたしから遠く、夜のはてを
鳴きながらわたってゆくものがある
あれは何だ、夜明けを知らせる鳥のような
かすかな光を運んでゆくいのちの歌声のような
天に近く、ねむれない私からはるかに遠く、         (豊美)
  


出会う卵を割らないように
ゆっくりと歩く。歩きながら見ている
捜索者の夢。暗い通路の先の
水辺に映る
わたしの影の上を
一羽の可憐な鳥が飛ぶ。              (健二)


(日記)

友人や知人の詩集、エッセイ集、翻訳などがこぞって上梓された。わが身の怠惰を恥じるのみ。
当分は、これらを読むことに没頭しよう。

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