2008年6月6日金曜日

夏の歌

2週続けて、南大沢に私用で。今日で終わった。帰りに橋本の山野楽器に寄る。ディーリアスの管弦楽曲集を一つ買って帰る。ジョン・バルビローリ指揮のもの。ずいぶん多くの曲が入っている。解説は三浦淳史。ダウスンの歌はなかったが、ディーリアス入門として聴きたかったので。EMIのCDで邦題は『春初めてのカッコウを聞いて』となっている。
今2枚目のディスクの最初の曲『夏の歌』を聴いている。三浦の解説によれば、この曲はディーリアス晩年(1929年)の曲。青春時代のパリ放蕩の報いで失明と四肢の麻痺状態にあったディーリアスのもとに、同郷の音楽青年エリック・フェンビーがボランティアとして住み込み、ディーリアスの口述をもとに、その眼と手を代行して完成した最初の作品であるとのこと。フェンビーの名著『私の知っていたディーリアス』によれば、『夏の歌』について次のように説明したという。

「われわれはヒースも生い茂っている断崖の上に腰を下ろして、海を遠望するとしよう。高弦の保持された和音は青く澄んだ空とその情景を暗示している…曲が活気を帯びてくると、君はヴァイオリン群に現れる、あの音型を思い出すだろう。わたしは波のおだやかな起伏をあらわすため、その音型を導入しておいたのだから。フルートがすべるように海上を飛んでゆくカモメを暗示する。この冒頭の素材は2つのクライマックスのあいだに再現され、さいごにも現れて静謐のうちに曲を終結へ導いてゆくのだ」。

おそるべし、you tube といおうか。Frederick Delius で検索していたら、ケン・ラッセル監督のDeliusの、これは声だけだが、映画までもアップされていた。フェンビー青年の眼からとらえられた巨匠Deliusのポートレイト。ここには、『夏の歌』の最初の部分が少し聞ける。歌曲ではなく、管弦楽です。

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